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メディアでも話題の受験勉強サイトを支えるお名前.com VPS【後編】
NHKの特集が話題となり、アクセスが平常時の20倍以上に跳ね上がるという大反響を呼んだ、無料の受験勉強サイト『manavee』。しかし、トラフィックが集中し、当時利用されていたお名前.com VPS(VZ=旧プラン)のサーバーがダウンしてしまうというトラブルが発生。そこで、『manavee』代表の花房孟胤様は、さらにハイパフォーマンスなVPS(KVM)への移行を決断されました。
後編では、『manavee』のサーバーやシステムを管理している青木様にもご参加いただき、移行前後のお話を伺います。
―NHKの特番で放送されたのが5月で、完全に移行されたのが6月。かなりスピーディーな対応でしたね。
花房様(以下敬称略):新しいVPSサービスである「VPS(KVM)」の存在は、NHKで放送される前から知っていましたから。ただ、テレビメディアの反響がこれほどまでとは想定しておらず、データ移行の労力を考えて、導入を見送っていたんです。しかし放送後、サーバーが不安定な状態が続いたため、いよいよ移行しなければ……ということになりました。
―移行後の新しいサーバーでは、サーバーダウンの経験を踏まえ、4GBのメモリを実装させていただきました。移行作業は、どのように行われたのですか?
花房様:移行にあたっては、青木さんと連絡を取りながら、構成をそのままVPS(VZ)からVPS(KVM)に移しました。ただ、一筋縄でいかない部分もありましたね。たとえばメールサーバーも同じ構成で移行したのですが、ドメインが変わらないのに、人によってメールの未着が起こるといった不具合が発生し、解消に少し時間がかかりました。VPS(KVM)は、エンジニアにとって自由度の高いハイエンドな仕様のため、そのぶん細かな設定が必要だったようです。
―VPS(KVM)は、インストールするOSまで自由に選べるなど、どこまでも手を加えられるぶん、設定作業は多いかもしれません。しかしその一方で、コントロールパネルに起動・シャットダウンのボタンを用意したり、メニューの細かな配置まで考慮するなど、ユーザー目線を意識したこだわりの仕様にもなっているのですが、実際に触れてみていかがですか?
青木様(以下敬称略):海外のVPSサービス等を利用する際には、「シリアルコンソール」や「virtio」の選択ができないことが多いため、この機能はとてもありがたかったです。特にシリアルコンソールは、ネットワークの設定を間違えてもアクセスできなくなることがあまりないので助かります。
―サーバーを利用する立場からみて、VPS(KVM)に対するご要望や疑問などございますか?
花房:クラウドサービスのように、一時的にサーバーを増強できるとありがたいのですが、やはり実現は難しいのでしょうか? メディアの露出が分かっていて、アクセスの集中が予想されるこの期間だけ増やす……というような。
―リソースの量による課金のほか、データ転送料も加算されますので、今回のような集中的なアクセス増加の場合は、料金が跳ね上がってしまうかもしれませんね。
花房:そうなると、やはり今使っているVPS(KVM)で、必要な時だけスポット対応していただけるととてもいいですね。ぜひご検討ください(笑)
―今後、複数台での運用もご検討されているということですが、どのような構成をイメージされているんでしょうか?
青木:とりあえずは様子見ということで、いまは運用サーバーとコールド系(待機)サーバーの2台で運用しているのですが、アクセス数やサイト規模に合わせて冗長化も考えています。いまのところ、コールド系の切り替えや同期などは、すべて手作業で行っています。
―自動化はされないんでしょうか?
青木:提供サービスの仕様を頻繁に見直しているため、手作業の方が早いと考えております。冗長化する場合は、DNSラウンドロビンやpoundによる負荷分散を使用する予定です。まずはDBサーバーを分離した方がよいのでしょうが、当面の運用による負荷は問題ないと考えています。
―しばらくは、サーバーを監視しながら様子を見る、ということですね。
花房:そうですね、対応が後手に回らないように、早めの対処をしていきたいですね。メディア露出時は、通常は訪れないお客様のアクセスが95%にものぼると言われていますので、このタイミングでサーバーがダウンしてしまうと、せっかくの新規ユーザーを逃してしまうことになります。サービスのフェーズを上げるためにも、アクセスが集中したくらいでサーバーがダウンしていてはダメですね。今回の経験は、盤石なITインフラを整備し、維持することの大切さを改めて学ぶ機会となりました。
―『manavee』は今後、導入を検討する学校もあるようですね。ますます話題を集めそうです。
花房:サイトでできることは限られていますが、『manavee』を利用すれば、教える側の労力やコストも下げることができるんです。そうすると、今後は公教育の現場でも役立つ可能性がありますので、今後もサービスやシステムの改善を続け、社会的な状況を変えていく装置の一つとしての役割を果たしたいと考えています。
―私たちも、サーバーインフラを支えることで、その一助になれる喜びを感じています。
本日はありがとうございました。